『サピエンス全史』認知革命 ― 人類を食物連鎖の頂点に押し上げた進化とは?

最近、人類の歴史の流れに少し興味を持ち始め、ユヴァル・ノア・ハラリのベストセラー 『サピエンス全史』 を手に取りました。
今日はその中の「認知革命(Cognitive Revolution)」の部分を読み、人類がどのように食物連鎖の弱者から頂点へと進んでいったのかを理解しました。これはまさに「歴史学が始まった瞬間」、すなわち人類が「物語を編む力」を手に入れた時点だと書かれています。
認知革命以前 ― 弱い存在としてのサピエンス
認知革命以前のホモ・サピエンスは、長い進化の時間を経ても、身体的には他の動物に比べてそれほど強くはありませんでした。むしろ弱者であり、自然界の中では決して目立つ存在ではなかったのです。
しかし、ある時期に起きた 遺伝子の突然変異 によって、人類の脳が進化し、新しい言語の仕組みが発達しました。『サピエンス全史』にはいくつかの仮説が示されていますが、最大の可能性は「人類が物語を作れるようになったこと」です。
物語を編む力 ― 他の動物との決定的な違い
物語を編み、それを共有する力によって、サピエンスは多数の人間を組織化できるようになりました。
- ある集団は「狩り」を協力して行い、
- ある集団は「移動と定住」を管理し、
- やがて「宗教」「国家」「お金」といった抽象的な物語を信じるようになったのです。
他の動物は遺伝的な変異を何万年も待つしかありませんが、サピエンスはただ「より良い物語を作るだけ」で組織を拡大できました。
この差が決定的となり、人類は認知革命によって食物連鎖の頂点に立った のです。
現代にも生き続ける「認知革命」の力
人類が獲得した「物語を編む力」は、現代社会でも変わらず私たちを支配しています。
- 国家という概念
- 法律や制度
- 会社や株式
- そして「お金の価値」
これらはすべて、冷静に考えれば「物語」に過ぎません。しかし、皆が信じることで強大な現実の力を持ちます。
まとめ ― 認知革命がもたらした人類の地位
私が『サピエンス全史』の「認知革命」を読んで感じたことを一言でまとめると、
「人類は物語を信じる力によって他の生物を超えた」 ということです。
人類は弱者から強者へと進化したのではなく、認知の進化 によって自らを「組織化できる存在」に変えたのです。
この「物語を作る力」こそが、今も社会の基盤となり、私たちの暮らしを支え続けています。