人生に本当に必要な保険・不要な保険とは?ムダな保険料を減らす見直し術

勉強ちゃん

多くの人が「保険=安心」と思い込み、実際には必要以上に多くの保険に加入しています。
しかし、すべての保険が自分にとって本当に必要とは限りません。
保険は「リスクをお金で分散する仕組み」にすぎず、過剰な契約はむしろ家計を圧迫します。
本記事では、人生の中で加入すべき保険・不要な保険を明確に区別し、固定費を減らしながら安心を保つ方法を解説します。

そもそも保険は「リスクを分け合う仕組み」

保険の本来の目的

保険の目的は「起こる確率は低いが、起きたら人生を左右するほどの大損失」に備えることです。
たとえば、自動車事故で他人を死傷させた場合や、火災で家を失った場合など、数百万〜数千万円単位のリスクが対象です。
一方で、日常の風邪や軽いケガなど、貯蓄でカバーできる範囲のリスクまで保険で備えるのは非効率です。
つまり、「頻度が高いが、損害が小さいリスク=貯蓄で備える」「頻度が低いが、損害が大きいリスク=保険で備える」と分けて考えることが大切です。
この考え方が整理できると、「なんとなく不安だから保険に入る」という無駄な出費を防ぐことができます。


入っておくべき「必要な保険」が三つだけ

自動車保険・自転車保険(対人・対物)は必須

車や自転車での事故は、一瞬の不注意で他人の命や財産を奪ってしまう可能性があります。
特に近年は自転車事故による高額賠償請求も増えており、2013年には小学生の自転車事故で約9,500万円の賠償命令が出た例もあります。
そのため、自動車を持つ人は「自賠責+任意保険(対人・対物無制限)」が必須です。
また、自転車に乗る人も個人賠償責任保険を付帯した「自転車保険」に加入しておくのが安全です。
現在、東京都・大阪府・兵庫県などでは加入が義務化されています。
保険料は年間数千円程度と安く、事故時の損害を考えれば非常にコスパの良い“守りの保険”です。

ちなみに、もし車を持たない生活を選ぶ場合、この自動車保険の分はまるごと削減できます。
車を所有しなければ、ガソリン代・駐車場代・車検費用などの固定費とあわせて、年間数十万円の節約につながります。
「持たない選択」は、保険料だけでなく生活コスト全体を軽くする最も効果的な方法の一つです。

火災・地震保険は「持ち家」の人に必要

火災・地震保険は、自宅という高額資産を守るためのリスク対策として極めて重要です。
特に日本は地震・台風・水害の多い国であり、住宅が被災すると損失額は数千万円規模になることも珍しくありません。
持ち家の人は、火災保険を「建物+家財」で加入し、地震保険も必ずセットで契約するのが基本です。
賃貸住宅の場合は、大家さんの建物保険では自分の家具や家電はカバーされないため、家財保険のみ加入しておくと安心です。
また、契約時は「水災補償の有無」や「再調達価格・時価」の違いを確認しましょう。
保険料は年間数万円ですが、万一の際に生活再建の助けとなる“最低限必要な保険”です。

生命保険は「家族を守るための最低限」

生命保険はすべての人に必要ではありません。
たとえば独身で扶養家族がいない場合、自分が亡くなっても他者の生活には影響しないため、加入するメリットは低いです。
しかし、子どもがいる家庭・住宅ローンを組む家庭・専業主婦がいる家庭などでは、残された家族の生活を守るために一定の保障が必要です。
目安としては「生活費+教育費×数年分」をカバーできる死亡保険があれば十分。
掛け捨て型の定期保険であれば、月々2,000〜3,000円程度で必要な保障を確保できます。
貯蓄型保険や外貨建て保険は複雑でコストが高いため、保険は“保障目的”に徹することが大切です。


見直し対象になる「不要または過剰な保険」

医療保険・がん保険は「貯蓄で代替できる」

医療保険やがん保険は、多くの人が“なんとなく不安だから”という理由で加入しています。
しかし、実際の医療費自己負担には「高額療養費制度」があり、
たとえば月に100万円の医療費がかかっても、自己負担は多くの場合10万円前後に抑えられます。
この制度を理解していれば、貯蓄100万円程度で多くの医療リスクをカバー可能です。
また、民間保険の入院給付金(1日5,000円など)は、実際の入院日数が短縮傾向にあるため、十分な効果を発揮しにくくなっています。
医療保険は“安心のための安心料”になりがちなので、加入よりもまず貯蓄を優先しましょう。

学資保険・個人年金保険は「利回りが低い」

学資保険や個人年金保険は、「積立のつもり」で始める人が多いですが、
実際には利回りが極めて低く、インフレにも弱い商品です。
学資保険の場合、10〜15年の契約期間で返戻率はせいぜい102〜105%前後です。
その間にインフレが進めば実質的なマイナスになります。
また、途中解約すると元本割れのリスクもあります。
同じ長期積立なら、つみたてNISAやiDeCoの方が圧倒的に有利です。
保険で「増やす」より、「投資信託で運用する」方が現代的で柔軟な選択といえます。

共済や重複保険は要チェック

会社の福利厚生やクレジットカード付帯の保険などで、
実は同じ内容の保障に二重加入しているケースがよくあります。
たとえば医療共済に加入しながら、クレカの傷害保険も持っている、というような重複はムダな保険料の代表例です。
また、共済はシンプルで安価ですが、保障額が低く、いざという時の給付が遅れることもあります。
契約内容を1年に1回見直し、被り」と「実際に必要な保障」を整理することが、固定費削減の第一歩です。

保険を見直すタイミングと手順

ライフイベントごとに見直す

保険は一度入って終わりではなく、ライフステージの変化に合わせて見直すことが重要です。
たとえば、独身のときは死亡保障の必要性はほとんどありませんが、結婚して家族が増えると「万が一の生活保障」が欠かせなくなります。
また、住宅を購入したタイミングでは、団体信用生命保険に加入しているかどうかで生命保険の必要額も変わります。
子どもの教育費がかかる時期や、老後の生活設計を立てる段階でも、保険の目的はそれぞれ異なります。
つまり、独身→家族あり→子育て終了→老後と、ライフサイクルの変化に応じて必要な保障を整理し、不要な契約を削除していくことが家計最適化のポイントです。
少なくとも3〜5年に一度、契約内容と家計状況を見直す習慣をつけると、無駄な保険料を払い続けるリスクを防げます。

見直しは「保険ショップ」より「自分軸」で

保険を見直す際に「無料相談」や「保険ショップ」を活用する人は多いですが、営業目的の提案に流されない姿勢が大切です。
彼らの多くは手数料の高い商品を優先的にすすめる傾向があり、「あなたに必要」よりも「売りたい商品」が中心になることもあります。
見直しの前にまず、自分で公的保険制度(健康保険・高額療養費制度・遺族年金など)を理解しましょう。
これらを把握すれば、民間保険でカバーすべき範囲はぐっと小さくなります。
また、「貯蓄でカバーできるリスク」と「保険でしか防げないリスク」を分けて考えるのがコツです。
最終的に、「どの保険に入るか」よりも、「なぜ入るのか」を自分の言葉で説明できることが、自分軸での保険選びにつながります。


まとめ|「保険で安心」より「仕組みで安心」

保険は「安心を買うもの」と言われますが、実際には**“入りすぎないこと”が本当の安心です。
人は不安を感じると、ついあれもこれもと加入しがちですが、保険は“守り”の手段であり、万能ではありません

本当に大切なのは、「自分で備えられる仕組み」を持つこと**です。
たとえば、緊急時に使える生活防衛資金を準備し、つみたてNISAなどの資産運用で将来のリスクにも備える。
このように「仕組みで安心」を作れば、過剰な保険料を払わずに済み、家計の自由度が大きく広がります。
保険は“入ること”よりも“入らない勇気”、そして必要最小限に絞る判断力こそが、長期的な豊かさと安心を生むのです。

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