不動産知識

不動産会社の役割と選び方|初心者向け完全ガイド

勉強ちゃん

不動産を購入・売却、あるいは投資目的で所有する際に、必ず関わってくるのが「不動産会社」です。
しかし、多くの初心者にとって「不動産会社」という言葉は漠然としていて、実際に何をしてくれるのか、どうやって選べばいいのかがわかりにくいものです。

不動産は金額が非常に大きい買い物であり、失敗が許されない分野です。信頼できる会社に依頼するか、それとも対応が不十分な会社を選んでしまうかによって、数百万〜数千万円の損得が生まれることも少なくありません。

このため、単に「近くにある不動産会社」や「知名度のある会社」を選ぶだけでは不十分です。不動産会社には役割や種類、特徴、得意不得意があり、それを理解したうえで自分に合った会社を選ぶことが大切です。

この記事では、不動産会社の基本的な役割や種類から、選び方の具体的なポイントまで、初心者でも迷わず理解できるように丁寧に解説していきます。


不動産会社とは?

まずは「不動産会社」という言葉の意味を整理しておきましょう。

不動産会社とは、不動産(土地や建物)に関する取引や管理を業務として行う会社の総称です。法律上は「宅地建物取引業者」と呼ばれることもあり、宅建業法という法律に基づいて免許を受けた会社がこの事業を営んでいます。

不動産会社の業務は多岐にわたり、代表的には以下のようなものがあります。

  • 不動産の売買や賃貸の仲介
  • 不動産の買取・販売(自社在庫として売る場合もある)
  • 物件管理(賃貸マンションの管理や入居者対応など)
  • 不動産投資のコンサルティング
  • 土地活用や建築計画のサポート

つまり、不動産に関する「窓口」としての役割を担っているのが不動産会社です。
初心者にとっては「家を買いたい・借りたい」と思ったときにまず相談する場所、というイメージを持つとわかりやすいでしょう。


不動産会社の基本的な役割

売買仲介

もっとも多く利用されるのが「仲介」です。
不動産会社は、家を売りたい人と買いたい人の間に入り、取引を成立させるためのサポートを行います。具体的には:

  • 物件情報の提供
  • 内見(見学)の手配
  • 売買契約の準備と進行
  • 価格交渉の仲立ち
  • 契約書や重要事項説明の作成

これらをすべて自分で行うのは不可能に近いため、仲介を担う不動産会社の存在は非常に重要です。

賃貸仲介

アパートやマンションを借りるときにも、不動産会社が間に入ります。
希望条件に合う物件を紹介してくれるだけでなく、入居申込や契約書の準備、入居時の手続きまでサポートします。

管理業務

不動産を所有しているオーナーに代わって、物件の管理を行う業務もあります。
例えば、マンションオーナーが自分で入居者対応をするのは大変なので、不動産会社が代わりに家賃の回収や修繕対応をします。これを「管理会社」と呼ぶこともあります。

不動産の買取・販売

一部の不動産会社は「仲介」ではなく、自ら物件を買い取り、その後に販売することも行っています。この場合、仲介手数料はかかりませんが、その分、会社が利益を上乗せして販売することになります。


不動産会社の種類

不動産会社は、業務内容や規模、得意分野によっていくつかの種類に分けられます。初心者が混乱しやすい部分なので、ここでしっかり整理しておきましょう。

大手不動産会社

三井不動産、住友不動産、野村不動産など、日本全国で事業を展開している大手企業です。特徴は以下の通りです。

  • メリット
    • 物件情報の量が圧倒的に多い
    • 全国的なネットワークがあり、安心感がある
    • 資金力があるためサポート体制が整っている
  • デメリット
    • 手数料やサービスが標準化されていて柔軟性に欠ける場合がある
    • 担当者によって対応の差が出る
    • 地域に根ざした細かい対応が難しいこともある

初心者にとっては安心感が大きいですが、「担当者ガチャ」と言われるように、誰に当たるかによって満足度が変わる点には注意が必要です。


中小規模の地域密着型不動産会社

駅前などに多いのが、このタイプの不動産会社です。地域に特化しているため、そのエリアの細かい情報に詳しいのが強みです。

  • メリット
    • 地域の事情に詳しく、学校や交通、生活環境まで把握している
    • 物件の細かい特徴を説明してもらえる
    • 柔軟に交渉に応じてくれる場合もある
  • デメリット
    • 取り扱い物件数が限られる
    • 会社の規模が小さいとサポート体制に不安がある
    • 営業担当者の知識や経験に差が出やすい

特定のエリアで物件を探す場合には非常に役立ちますが、複数エリアで比較したいときには情報量が不足することもあります。


専門特化型の不動産会社

中には特定の分野に特化している会社もあります。例えば:

  • 投資用不動産に特化している会社
  • 高級物件専門の会社
  • 外国人向け賃貸に特化している会社

専門性が高い分、ニッチなニーズに応えてくれるのが強みですが、初心者にとっては情報が偏ってしまうリスクもあります。

不動産会社と仲介会社の違い

不動産会社と仲介会社は混同されがちですが、厳密には少し違いがあります。
不動産会社というのは広い意味で「不動産に関する事業を行う会社全般」を指し、その中に「仲介を専門に行う会社」が含まれます。

仲介会社は、不動産を売りたい人と買いたい人の間に立ち、契約成立をサポートするのが主な仕事です。
一方、不動産会社の中には「自社で物件を保有し、それを販売する会社」もあります。

つまり、仲介会社はあくまで中立的な立場に立ち、取引を橋渡しするのに対し、買取再販を行う不動産会社は「売主」として登場することもあるわけです。

どう違いが出るのか?

  • 仲介会社 → 多数の物件情報を扱い、幅広く紹介できる。買主・売主双方の利益を調整する立場。
  • 買取販売系の不動産会社 → 自社物件を優先的に勧める。手数料はかからないが、利益が上乗せされている。

初心者にとって重要なのは、自分が相談している会社が「仲介」なのか「売主」なのかを理解しておくことです。
それを知らずに契約してしまうと、「選択肢が狭まっていた」「相場より高い物件を買ってしまった」といった失敗につながる可能性があります。


不動産会社のメリットとデメリット

不動産会社を利用することには、多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。ここでは両面を整理して理解しておきましょう。

メリット

  • 専門知識が得られる
    不動産取引は法律や税金、契約など専門性が高いため、プロに任せることで安心して進められる。
  • 物件情報にアクセスできる
    不動産会社は「レインズ(不動産流通機構)」という全国の物件データベースにアクセスできるため、一般の人より多くの情報を持っている。
  • 手続きがスムーズ
    契約書作成、重要事項説明、ローン手続きのサポートなど、煩雑な流れをまとめて進めてくれる。
  • 交渉力
    価格交渉や条件調整を代わりに行ってくれるため、直接やり取りするより有利な条件を引き出せる場合がある。

デメリット

  • 手数料がかかる
    仲介手数料は最大で「物件価格の3%+6万円+消費税」と高額になる。
  • 担当者による差
    不動産会社そのものよりも、実際に対応する営業担当者の力量によって、満足度が大きく変わる。
  • 自社物件を優先する場合がある
    特に買取販売を行う会社は、自社の利益が大きい物件を積極的に勧める傾向がある。

初心者は「メリットが大きい反面、依存しすぎると不利になる可能性もある」というバランスを理解しておくことが重要です。


不動産会社の信頼性を見極めるポイント

1. 宅建業免許の確認

不動産会社は必ず国土交通大臣または都道府県知事から「宅地建物取引業免許」を受けています。免許番号を見れば、どこから許可を受けているのか、更新回数は何回かがわかります。

例:「東京都知事(3)第12345号」
→ 東京都知事の免許で、3回目の更新(=設立から10年以上経っている可能性が高い)。

更新回数が多いほど、長く事業を続けている信頼の証になります。

2. 担当者の対応

信頼できるかどうかは会社の看板よりも担当者の質に左右されることが多いです。以下の点をチェックしましょう。

  • 説明がわかりやすく、質問に丁寧に答えてくれるか
  • 強引な営業をしてこないか
  • メリットだけでなくデメリットも伝えてくれるか

3. 口コミ・評判

ネットの口コミサイトやSNSでの評判も参考になります。ただし、偏った意見も多いので「複数の情報を照らし合わせる」ことが大切です。


不動産会社を選ぶときの実践的ポイント

  1. 複数社を比較する
    1社だけに相談するのではなく、最低でも2〜3社を比較すると違いがよく見える。
  2. 得意分野を見極める
    投資用不動産に強い会社、住宅販売に強い会社、賃貸管理が得意な会社など、会社ごとに特色がある。
  3. 地域との関わり
    大手は広域に強いが、地域密着型はエリア情報に詳しい。自分の目的に応じて選ぶのが正解。
  4. 手数料の仕組みを理解する
    仲介手数料や管理料など、どの段階でいくらかかるのかを事前に確認する。

まとめ:初心者が不動産会社を選ぶ際の心構え

不動産会社は、物件探しから契約、管理までを支えてくれる頼もしい存在ですが、その選び方を誤ると大きな損失につながることもあります。

初心者にとって大切なのは:

  • 会社の種類や役割を理解すること
  • 信頼できる担当者と出会うこと
  • 複数の会社を比較検討すること

この3つを意識すれば、不動産取引をより安全かつ有利に進められます。

不動産は一生に何度もない大きな買い物です。焦らず、情報を集め、信頼できるパートナーを見つけることが成功の第一歩になります。

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