VYMとは?特徴・メリット・デメリットを徹底解説【初心者向け】
米国高配当ETFの中でも、もっとも人気が高いのが VYMです。
「高配当株に分散投資したい」「安定した配当と値上がり益の両方を狙いたい」
という人にとって、有力候補になるETFです。
しかし、実際に投資する前には、
- VYMとは何か?どんな銘柄に投資しているのか?
- メリットだけでなく、どんなデメリットがあるのか?
- 他の高配当ETF(SPYD・HDV・SCHD)との違いは?
といったポイントもしっかり理解しておく必要があります。
この記事では、VYMの基本情報からメリット・デメリットまで、初心者でも迷わないように徹底的に解説します。
VYMとは?
VYMの概要
VYM(Vanguard High Dividend Yield ETF)は、米国の資産運用会社Vanguard(バンガード)が提供する高配当株ETFで、「安定した高配当」と「広い分散」が最大の特徴です。
VYMが連動しているのは FTSE High Dividend Yield Index という指数で、米国市場の中でも “高配当だが安定した大型株” に絞って構成されています。
これにより、SPYD のように利回りだけを追いすぎることなく、HDV のように偏りすぎることもない、“バランス型の高配当ETF” として位置づけられています。
VYMの組入銘柄数は500銘柄前後と非常に多く、ひとつの銘柄に依存するリスクを大幅に抑えながら、米国経済全体の成長も取り込めるのが魅力です。
セクターでは金融・ヘルスケア・生活必需品が中心で、ディフェンシブな企業が多い点も初心者に向いています。
VYMの株価と過去の推移(長期的な値動き)
VYMの株価は現在140ドル前後で推移しており、短期的な上下はあるものの、長期では右肩上がりの成長を続けています。
過去10〜15年のデータを見ると、VYMのトータルリターン(配当+値上がり益)は平均年率7〜10%程度です。
これは高配当ETFの中ではトップクラスで、「高配当なのに株価が伸びる」という点が多くの投資家に支持されています。
特にVYMは、リーマンショックやコロナショックのような暴落時にも比較的値下がり幅が小さく、回復が早いという特徴があります。
これは、組入銘柄が大型・成熟企業で構成されているためで、「短期の変動に強い高配当ETF」として評価されます。
また、四半期ごとに安定して配当金が支払われるため、「株価が下がっても配当が支えてくれる」という心理的メリットも大きいです。
株価上昇と配当の両方で利益を狙えるため、長期投資を中心に資産形成をしたい人が VYM を選ぶ傾向があります。
VYMの構成銘柄・セクター比率
VYMの組入銘柄数は約400〜500銘柄と圧倒的に多く、個別高配当株投資の弱点である「減配のリスク」「業種偏りリスク」を大幅に軽減できます。セクター比率を見ると、
- 金融(銀行・保険)
- ヘルスケア(医薬品・医療機器)
- 生活必需品(食品・日用品)
- エネルギー(石油・ガス)
といった“景気に左右されにくいディフェンシブ産業”が中心で、初心者でも安心して持ち続けられる構成になっています。
上位銘柄例
- JPMorgan Chase(JPM)
- Johnson & Johnson(JNJ)
- Procter & Gamble(PG)
- Exxon Mobil(XOM)
- Pfizer(PFE)
など、どれも世界的な超大企業ばかり。これらは業績が安定し、減配リスクが非常に低いため、「VYMは安心して保有できる米国高配当ETF」として評価されます。
また、SPYDのような極端な不動産比率の偏りがなく、HDVのように“数十銘柄に集中”することもありません。広く・安定的に・長期で配当を受け取りたい人向けの王道ETF と言えます。
VYMのメリット
高い配当利回りと“安定した増配”の両立
VYMの最大の魅力は、高配当利回りでありながら値上がり益も期待できる“バランスの良さ” にあります。
高配当ETFの中には利回りが5〜6%に達するものもありますが、そうした銘柄は景気後退時の値下がりが大きかったり、減配リスクが高かったりと不安要素も多いです。
一方VYMは利回り2.4〜3.5%前後と“適度な高配当”に抑えつつ、増配を続ける企業が多く組み込まれているため、長期保有での配当成長が期待できることが特徴です。
特に米国では「増配文化」が根付いており、企業は株主還元を重視します。
そのため、VYMに含まれる企業の多くは10年、20年以上にわたり連続増配している銘柄ばかりです。
これは配当金投資を行う人にとって大きな安心材料です。「VYM 配当金 いつ」「VYM 増配率」などの検索でもよく調べられる理由はここにあります。
また、配当金は四半期ごと(年4回)にもらえるため、生活費の補填や副収入としての活用もしやすい点もメリットのひとつです。
さらに、成長性もあるため、単なる“高配当の罠”にハマりにくく、初心者でも安心して長期投資ができるETFです。
値上がり益も期待できる“高配当×成長”のハイブリッドETF
一般的に高配当株は「成熟企業が多く、成長力が弱い」と言われがちです。
しかしVYMは 大型バリュー株に広く分散しているため、市場全体の成長も取り込みやすいという特徴があります。
実際、VYMの過去10年の株価推移を見ると、S&P500 よりは少し劣るものの、他の高配当ETF(SPYD、HDV)よりも明らかに安定した成長をしています。
これは、VYMが“極端に高配当な銘柄”ではなく、業績が安定していて株主還元も強い優良企業に絞っているからです。
つまり「配当金をもらいながら、値上がり益も狙える」という、欲張りな投資家に向けた構造になっています。
高配当ETFの中では珍しく、リーマンショック後にも順調に株価を回復しており、長期チャートを見ると右肩上がりを続けています。
そのため、VYMは配当金目的の投資家だけではなく、インカム+キャピタル両取りをしたい長期投資家からも高く評価されています。
構成銘柄数が多く、減配リスク・個別リスクに強い
VYMの構成銘柄数は500銘柄前後あり、他の高配当ETFと比べても圧倒的に分散されています。
比較例:
- VYM:500銘柄前後
- HDV:75前後
- SPYD:80前後
この“超広範囲の分散”こそが、VYMの強さの源です。
高配当株投資では、個別企業の業績悪化や減配が大きなリスクになります。
しかし、500銘柄以上に分散されているVYMでは、1社が減配しても全体への影響はごくわずかです。
「高配当は好きだけど、個別銘柄を選ぶのは不安」という人にとって非常に相性が良いETFと言えます。
また、景気に強いセクター(生活必需品・ヘルスケア)も多く含まれており、不況耐性が高い点も魅力です。
高配当ETFとしての安定感を求める人に最も選ばれている理由がここにあります。
信託経費率(コスト)がとにかく低い:0.06%の破格設定
VYMの経費率は 0.06% と、極めて低コストです。
これは他の高配当ETFと比較してもトップクラスの安さです。
- VYM:0.06%
- HDV:0.08%
- SPYD:0.07%
- 日本の高配当ファンド:0.3〜1.0%(比較にならないほど高い)
高配当ETFは長期保有する前提のため、信託報酬が低いほど投資家にとって有利です。
1%の違いでも20年後のリターン差は非常に大きくなるため、「VYM 経費率 安い」がよく検索されるのも納得です。
Vanguard の強みである“低コスト”が最大限に活かされており、長期で保有しやすいETFの筆頭と言えます。
買った後は“放置”できるシンプル運用
VYMは銘柄入れ替えや比率調整をすべてETF側が自動で行ってくれるため、投資家は基本的に買って放置するだけでOKです。
インデックス投資のように難しい分析や頻繁な売買が不要で、
- 忙しい会社員
- 投資初心者
- 老後資金づくりをしたい人
に特に向いています。
高配当個別株は減配の有無や業績チェックが必要ですが、VYMは世界的な優良企業で構成されているため、手間が少なく安心感があります。
VYMのデメリット
米国ETFゆえの“二重課税”と確定申告の手間
VYMは米国ETFであるため、配当金を受け取る際に 米国で10%の源泉徴収 が発生します。
さらに日本でも20.315%が課税されるため、配当金には合計で約30%の税金がかかります。
これがいわゆる 二重課税 と呼ばれるものです。
日本居住者の場合、確定申告(外国税額控除)をすることで米国側の10%の一部または全部を取り戻すことができますが、申告には手間がかかる点がデメリットになります。
特に、VYMのように四半期ごと(年4回)配当を受け取るETFでは、配当回数が多いほど控除の計算や書類の量も増えるため、投資初心者からは「思っていたより面倒」と感じる声もあります。
国内投資信託(投資信託版VYM)であれば自動で税金調整され、確定申告が不要なケースもあるため、初心者にはETF特有の負担は小さくありません。
また、NISA口座で米国ETFを購入した場合、日本側の20.315%は非課税になるものの、米国側10%の税金は避けられません。
この「完全に非課税にできない構造」も、投資信託に比べると劣る点としてよく挙げられます。
「VYM 税金」「VYM 二重課税」という検索が多い理由はまさにここです。
ETF自体は優良商品ですが、日本人投資家にとって税金の仕組みを理解しないと実質利回りが下がることがあり、この点はデメリットとしてしっかり理解しておく必要があります。
他の高配当ETFと比べて“利回りが中途半端”と言われる理由
VYMの配当利回りは2.4〜3.5%前後で、米国高配当ETFとしては「やや控えめ」です。
具体的には、以下のETFと比較されることがあります。
- HDV:3.0〜4.5%
- SPYD:4.5〜6%
- JEPI:6〜10%(オプション戦略)
これらと比べると、VYMは利回りだけ見ると物足りなく見えるため、SNSなどで「VYMは微妙」「高配当ETFにしては低い」と評価されがちです。
しかしこれは、リスクを抑えている結果 でもあります。
利回りが高いETFほど、以下のようなリスクが高まります:
- 景気敏感セクターの割合が急増
- 減配しやすい企業が多い
- 株価の下落耐性が弱い
- 長期のトータルリターンが低くなりやすい
SPYDはまさにその典型で、利回りは高くても値下がりが大きく、減配も多い。結果として長期リターンではVYMに劣っています。
つまり VYMの利回りが“低め”なのは、長期安定性を高めるための設計 であり、単純比較はミスリードにつながります。
ただし、「とにかく配当金を最大化したい」という投資家にとって、VYMは目立つ利回りではないため、この点はデメリットとして認識しておいた方がよいでしょう。
金融セクター比率が高く、景気変動の影響を受けやすい
VYMは構成銘柄が広く分散されているとはいえ、金融セクター(銀行・保険・投資会社)が比較的多いという特徴があります。
金融株は金利政策・景気サイクルの影響を受けやすく、好況期は強い一方、不況期には下落が大きくなる傾向があります。
特に以下の局面では注意が必要です:
- 金利が急低下する局面 → 銀行の利益悪化
- 景気後退・リセッション入り → 貸倒引当金が増える
- 金融ショック(リーマン、SVB破綻など) → 株価が急落しやすい
VYMは金融セクターに偏りすぎてはいないものの、他のETF(特にVIG・SCHD)に比べると金融比率が高く、景気の波に左右される傾向があります。
金融株の比率が高いことで以下のデメリットが生じます:
- 不景気の時は株価のボラティリティが大きい
- 配当維持が難しくなるケースがある
- 安定性を重視する投資家には向かない局面がある
ただし、このデメリットは“VYMが高利回りを維持している証拠”でもあり、必ずしも悪いわけではありません。
金融セクターの収益構造を理解して投資するなら十分対応可能です。
為替リスクと米国集中リスク
VYMは米国ETFであり、円とドルの為替変動の影響を強く受けます。
特に以下のようなリスクが存在します:
- 円高になる → 円換算の評価額が下がる
- 円安になる → 評価額は上がるが、買い増しが難しくなる
- 配当金もドル建てで受け取るため、円転タイミングで損をする可能性
例:
ドル円が154円 → 100円に戻ると、資産価値が35%下がることもあり得ます。
また、VYMは米国株に100%集中しているため、地域分散という観点では弱点になります。
- 米国の景気悪化
- 米国の金利政策
- 米国の税制変更
- 米国の政治リスク
などがダイレクトに影響します。「VYM 為替リスク」がよく検索されるのはこのためです。
ただし、米国市場は世界最大で、長期の成長力は最も高いとされています。そのため、為替リスクを理解しつつ投資するのであれば、長期的には大きな問題ではないという見方もあります。
VYMの今後の動向と見通し
VYMは米国の大型バリュー株を中心に構成された高配当ETFであり、その性質上、長期的には「緩やかに成長しながら安定した配当を維持する」タイプの商品です。
VYMの未来を考える際に重要なのは、米国経済・企業収益の力強さ と バリュー株の位置づけ の2点です。
まず米国企業は、世界でも最も高い収益性と株主還元意識の高さを持っています。
増配文化が根付いており、VYM自身も長期で見ると減配が少なく、分配金が着実に積み上がっています。
特に、S&P500企業の多くが自社株買いや増配を継続しているため、VYMの構成銘柄の配当成長も期待しやすい状況です。
一方で、今後はAI投資や金融政策の転換により、グロース株が強くなる局面と、バリュー株が強くなる局面が交互に来る と見られています。
バリュー株が強い時期にはVYMが有利に働き、逆にグロース優勢の相場ではS&P500やNASDAQなどに後れを取る可能性があります。
重要なのは、VYMは「安定した収益と減配しにくさ」に価値があるETFであり、短期の値動きで判断するべき商品ではない、という点です。
今後も 3%前後の利回り+緩やかな株価成長 が続くというのが多くのアナリストの見方で、長期のインカム投資としては依然魅力的な選択肢と言えます。
VYMへの投資方法と買い方
VYMは米国ETFであるため、証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)から簡単に買うことができます。 購入方法は大きく「現物取引」と「CFD取引」に分かれます。
現物取引(もっとも一般的)
日本円 → ドルに為替交換 → VYMを購入
という流れです。
初心者はこの方法がベストで、長期保有にも向いています。
- NISAで非課税
- 分配金をドルで受け取れる
- リスクがシンプル
- 手数料も安い
という利点があります。
CFD取引(上級者向け)
CFDはレバレッジをかけて取引できるため、短期売買向けです。
- レバレッジ取引ができる
- 売りから入れる
- 金利調整額(スワップ)が発生する
長期インカム投資で利用するメリットは小さく、配当目的の投資には向きません。
また、VYMは配当が年4回あるため、長期保有前提なら現物一択 と言えます。
自動積立はETFでは難しいため、次のような買い方がおすすめです:
- 毎月:一定額のドルを積立
- 暴落時:ETFをまとめて買う
- 長期:配当を再投資して複利効果を高める
投資信託ではなくETFならではの、“タイミングを見てスポット買いできる自由度” を活かせるのが魅力です。
VYMはどんな人に向いている?
VYMは高配当ETFの中では もっともバランス型で安定性の高い商品 といえます。以下のような人に向いています。
① 長期で安定した配当をもらいたい人
VYMは高配当ETFの中では減配が少なく、構成銘柄も大型優良企業が中心です。10年以上の保有を考える人には非常に相性が良いです。
② 高配当ETFの中でも“値上がり益も欲しい”人
SPYDのように利回りだけを追いかけるETFは株価の上昇力が弱いですが、VYMは配当と値上がりを両立できるのが特徴です。
「高配当×値上がりのバランス」を求める人に向いています。
③ シンプルに米国大型株へ投資したい人
構成銘柄が500社前後あり、セクター分散も効いているため、個別株を選ぶ手間が不要。投資信託より高い自由度(売買タイミングの調整)もあるため、中級者にも人気です。
④ 老後のインカム形成をしたい人
米国企業は増配文化が強いため、10〜20年で配当が倍以上に増える可能性があります。将来的に「配当で生活の一部を賄いたい」という目的に向いた商品です。
逆に、次のような人には向きません:
- とにかく利回りを最大化したい → SPYD, HDV
- 自動積立したい → 投資信託(投信版VYM)
- グロース株の爆発的成長を狙いたい → S&P500, NASDAQ100
自分の目的によって評価が変わるETFと言えます。
まとめ
VYMは派手な利回りではありませんが、
- 減配が少ない
- 経費率が超低コスト
- 長期で値上がり益も期待できる
- 安定した配当を積み上げられる
という トータルバランスが最強レベルの高配当ETF です。
高配当ETFの中でもリスクが低く、初心者〜中級者まで幅広く選ばれている理由はここにあります。
