SPYDとは?メリット・デメリット・買い方・VYM/HDV/SCHDとの比較を初心者向けに解説

勉強ちゃん

米国高配当ETFの中でも、「利回りの高さ」で特に人気を集めているのが SPYD(SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF) です。
VYM・HDV・SCHDと並んで“米国高配当ETF”として頻繁に比較され、日本の投資家からの注目度も非常に高い商品です。
しかし、SPYDは他のETFと比べて構成ルールがかなり特殊で、“良くも悪くもクセの強いETF” であることはあまり知られていません。
利回りが高いからと安易に飛びつくと、景気後退局面で大きく値下がりしたり、減配に悩まされるケースもあり、特徴を理解したうえで投資を判断する必要があります。

この記事では、
SPYDの基本情報、メリット・デメリット、そのETFがどんな投資家に向いているのかを、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。
また、VYM・HDV・SCHDといった他の人気ETFとの違いも踏まえながら、「どのETFを選ぶべきか?」「自分の投資目的と合っているか?」を判断できるような内容になっています。
SPYDは高利回りETFである一方、景気敏感なセクターが多く、値動きや減配リスクが独特なので、購入前に必ず理解しておきたいポイントが多く存在します。
本記事を通じて、SPYDへの理解を深め、後悔のない投資判断につなげてもらえれば幸いです。


SPYDとは?

SPYDの概要

SPYDは、S&P500の中から“配当利回りの高い80銘柄”を抽出し、均等加重(イコールウェイト)で構成するETF です。
ベースとなる指数は「S&P 500 High Dividend Index」で、米国の大型株の中から高配当株だけを80銘柄選び、その一つ一つをほぼ同じ比率で組み入れていることが最大の特徴です。
この均等加重という仕組みにより、特定の巨大企業だけに偏らず、比較的小型〜中型の高配当株にも幅広く投資できるというメリットがあります。

採用基準は非常にシンプルで、「S&P500に属している」「配当利回りが高い」という2点が中心となります。
そのため、業績が安定している優良企業も含まれますが、一方で景気に左右されやすいセクター(金融・不動産・エネルギーなど)が多く選ばれやすいという性質もあります。
また、年2回(1月・7月)に銘柄の入れ替えがあり、そのタイミングで大幅に構成銘柄が変化することもあります。
この入れ替え速度もSPYDの特徴で、良くも悪くも「シンプルに高配当を集めるETF」であり、構成の安定性ではVYMやHDVに劣ります。
とはいえ、高配当株を80銘柄に分散して均等に保有できる点は、多くの投資家にとって大きな魅力となっています。

利回りが高くなりやすい理由

SPYDの魅力として真っ先に挙げられるのが、米国高配当ETFの中でも特に高い配当利回り です。
これは構造的な理由によるもので、
まず一つ目の理由は「不動産・金融・エネルギーなど、高配当になりやすい業界の比率が高い」ことです。
これらのセクターは景気によって収益が大きく変動することが多い分、企業側が株主還元として高い配当を設定するケースが多く、SPYDの利回りを押し上げる要因になっています。

二つ目は、均等加重(イコールウェイト) の仕組みです。
一般的なETFは時価総額の大きい企業ほど組入比率が高くなりますが、SPYDは大企業と中小型株を同じ比率で保有します。
そのため、比較的小型で利回りが高い企業の比重も大きくなり、結果的にETF全体として利回りが高くなる傾向があります。
これはVYMやHDVには見られない特徴です。

三つ目は、「高配当を基準に銘柄選定している」ことです。
つまり、構造上、配当利回りの低い企業は最初から採用されません。高配当スクリーニングを行い、配当利回り上位の銘柄だけを抽出しているため、利回りの高さは必然的なものです。
その反面、景気に弱い銘柄が含まれやすいというデメリットもありますが、利回り重視の投資家にとってはこの仕組みが非常に魅力的に映るでしょう。

他の高配当ETF(VYM・HDV・SCHD)との違い

SPYDを理解するうえで欠かせないのが、他の人気高配当ETFである VYM・HDV・SCHD と何が違うのかを把握することです。
最も大きな違いは 構成ルール にあります。
SPYDは「配当利回りが高い銘柄80社を均等加重で組み入れる」という極めてシンプルな手法を採用しています。
一方、VYMは“安定した大型優良企業”、HDVは“財務健全性の高い高配当株”、SCHDは“増配実績と財務指標を重視した高品質株”と、選定基準がまったく異なります。

もう一つ重要な違いは、セクターの偏りの強さ です。
SPYDは不動産(REIT)、金融、エネルギーといった景気敏感セクターが非常に多く、景気後退局面で大きく値下がりしやすい性質があります。
対して、HDVはヘルスケア・生活必需品などディフェンシブ比率が高く、SCHDはバランス型、VYMは超広範囲に分散しています。
つまり、SPYDは「利回りの高さと引き換えに安定性を犠牲にしている」と言えます。


SPYDのメリット

米国高配当ETFの中でも利回りが特に高い

SPYD最大の魅力は、米国高配当ETFの中でも屈指の利回り水準 を誇る点です。
VYMやHDVが2〜4%台、SCHDが3〜4%台で推移することが多い中、SPYDは景気局面にもよりますが 4〜6%前後を示すことが珍しくありません
これは、配当利回りの高さを採用基準としているETFならではの性質であり、インカム狙いの投資家にとって非常に大きな魅力です。

利回りが高くなる背景として、不動産(REIT)や金融、エネルギーなどの“利回りの高い業界”が多く組み入れられていること、
さらに均等加重によって利回りの高い中型株・小型株も一定割合で保有することが挙げられます。
一般の時価総額加重型ETFでは、大型優良企業が中心となり利回りが抑えられがちですが、SPYDの場合は構造的に利回りが高くなりやすく、配当金を重視する投資家にとって非常に魅力的です。

均等加重(イコールウェイト)で小型・中型株にも投資できる

SPYDのもう一つの大きな特徴が、均等加重(イコールウェイト) を採用している点です。
通常のETFは時価総額が大きい企業ほど組入比率が高くなり、結果として「巨大企業ばかりが多くなる」という偏りが生まれます。
しかし、SPYDはS&P500の中から高配当の80銘柄を選出し、それらを基本的に同じ比率で保有します。
つまり、時価総額の大小に関係なく“1銘柄=同じ重さ”で投資するというユニークな設計を採用しているのです。

この仕組みの最大のメリットは、中型株・小型株の高配当株にも自然と投資できる という点です。
特に高配当を出す企業には中型株も多く、それらの企業の成長がETF全体のリターンを押し上げる可能性があります。
また、1銘柄の比率が高くならないため、個別企業のリスクがETF全体に大きく影響することがない点も利点です。
大型株偏重のVYMや安定銘柄重視のHDVとは、まったく異なる分散方法によって構成されていると言えるでしょう。

経費率0.07%と低コストで分散投資が可能

SPYDは、高配当ETFとしてはもちろん、ETF全体で見ても非常に 低コスト(経費率0.07%) で運用されている点が大きな強みです。
経費率が高いETFは長期で保有するほどコストが重くのしかかりますが、SPYDは圧倒的低コストのため、長期間の保有にも向いています。
たとえば年間100万円の投資であれば、年間の運用コストはわずか700円です。
これは、同じ高配当ETFであるHDV(0.08%)ともほぼ同水準、SCHD(0.06%)にも匹敵する低さです。


SPYDのデメリット

景気敏感セクターに偏り、不況に弱い

SPYD最大の弱点は、景気敏感セクターへの偏りが極端に強い という点です。
構成銘柄には不動産(REIT)、金融、エネルギー、一般消費財など、景気の上下に左右されやすい企業が多く含まれています。
これは配当利回りの高いセクターがそもそも景気の影響を受けやすいためであり、SPYD独自の問題ではありませんが、他ETFと比較すると偏りが特に顕著です。

このため、景気後退局面では株価が急落しやすい傾向があります。
実際、コロナショック時にはSPYDは大きく下落し、同じ高配当ETFのVYMやHDVと比べても、下落率が最も高かったというデータがあります。
さらに、景気敏感なセクターは回復も遅れやすく、株価の戻りが長期化するという点もリスクとして考慮すべきです。

減配・配当変動が大きい

SPYDは“配当利回りが高い”というメリットがありますが、裏返すと 配当が安定しにくい というデメリットを抱えています。
採用銘柄が景気敏感セクターに集中しやすいため、業績が悪化すると真っ先に配当が削減・停止されやすく、その結果として ETF全体の配当金が大きく変動する構造になっているのです。

実際、SPYDは過去に複数回の減配を経験しており、配当金の年ごとの変動幅は他のETFよりかなり大きくなっています。
増配を続けるSCHDとは対照的で、“安定して増える配当”を求める投資家にとっては不向きと言えるでしょう。
さらに、年2回の銘柄入れ替えにより、配当の高い企業が周期的に入れ替わるため、配当履歴が安定しづらいという構造上の課題もあります。

値動きが荒く、長期リターンはVYM・SCHDに劣る

SPYDの値動きは、他の高配当ETFと比べても非常に荒くなりやすいという特徴があります。
原因は明確で、景気敏感セクターへの偏りと、均等加重による中小型株比率の高さです。
これらの要素は景気の影響を受けやすく、上下の振れ幅が大きくなります。

その結果、長期のトータルリターンは VYM や SCHD と比較して劣りやすい 傾向があります。
VYMは安定した大型優良企業へ広く分散しているため長期リターンが堅実で、SCHDは増配企業の成長が株価上昇にもつながりやすい構造のため、結果的に長期で優れたパフォーマンスを示してきました。
一方SPYDは、高利回りによるインカムは高いものの、株価成長が限定的であるため、長期リターンという観点では見劣りするケースが多いのです。


SPYDはどんな人に向いている?

短期的に高い配当利回りを求める投資家

SPYDが最も輝くのは、「今すぐ高めの配当利回りがほしい」という投資家です。
VYM・HDV・SCHDと比べても、SPYDの利回りは歴史的に常に上位です。
理由は、セクターの偏りや均等加重(イコールウェイト)という仕組みによって、配当利回りが高い企業がポートフォリオに多く含まれる構成になりやすいためです。
特に、高金利の環境や景気回復局面では、金融・不動産・エネルギーといった利回りの高いセクターが株価上昇しやすく、それに伴ってSPYDの分配金も魅力的になります。

ただし、「短期的に利回りを享受できる」一方、株価の値動きは安定しません。
利回りが高くなるほど株価のボラティリティも大きくなる傾向があり、値下がりも覚悟する必要があります。
それでも、「配当がメインで、評価額の上下はあまり気にしない」というタイプには合っているETFです。
特に、毎月積立よりも「スポット買い」や「相場が弱い時に買い増し」したい投資家にとっては、短期的な収益源として非常に存在感のあるETFといえるでしょう。

景気サイクルのリスクを理解し、長期保有する覚悟がある人

SPYDは「景気敏感セクターに偏っている」という性質から、不況局面では大きく下落することがあります。
特に、金融・不動産・エネルギーは景気後退時に打撃を受けやすく、SPYDも例外ではありません。そのため、短期的な値動きに耐えられない人には向きません。

一方、景気サイクルには必ず“回復”の局面があります。
不況→回復→好況という流れの中で、景気敏感セクターは回復局面で一気に株価が戻りやすいという特徴があります。
つまり「不況で下がる→回復で戻る」が基本の動きです。
これを理解し、「長期保有で配当を受け取りながら回復を待つ」という考え方ができる人には強力なETFです。

また、減配を経験する年もありますが、長期で見れば配当と株価の両面である程度回復する傾向があります。
つまり、“景気敏感ゆえの上がり下がりを許容できるタイプ”が最もSPYDに向いています。
値動きの荒さを受け入れつつ、タイミングを焦らない投資家ほど、SPYDのメリットを最大限に享受できます。


SPYDの買い方

購入できる証券会社

SPYDは日本の大手ネット証券(SBI証券・楽天証券・マネックス証券)で 米国株として直接購入 できます。口座を開設し、外国株取引の設定を有効にするだけで、誰でもSPYDを買うことができます。
購入手順はシンプルで、

  1. 証券会社で米ドルを購入(為替手数料が発生)
  2. 米ドルでSPYDを購入
  3. 保有・受け取りは四半期ごとの配当金

という流れです。

注意すべきは 為替手数料 と 為替変動リスクです。


まとめ|SPYDは“ハイリスク・ハイリターン型の高配当ETF”

SPYDは、

  • 高配当
  • 低コスト
  • 均等加重で分散可能
  • 景気敏感セクターに偏る
  • 減配リスクが高い
  • 長期リターンが不安定

といったリスクも明確なETFです。

そのため、「高配当だからSPYDだけでOK」という使い方は危険で、必ず
自分のリスク許容度・投資目的・ポートフォリオ全体のバランスを考えて活用する必要があります。

SPYDはメイン資産ではなく、
“高配当を補うサテライト”として使うのが最適解です。
これを理解していれば、SPYDはポートフォリオに非常に強力な役割を果たすETFになります。

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職業:Web開発エンジニア
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