個人向け国債は安全だけど“メインにはならない”|初心者は株式+現金、余剰金だけ国債が正解

勉強ちゃん

近年、「個人向け国債は買うべき?買わないべき?」という議論が一気に注目されるようになりました。
特に金利がゆるやかに上昇しはじめた頃から、「預金より利率が高い」「安全資産として優秀」といった意見が広がる一方で、「買ってはいけない」「リターンがなさすぎる」「使いにくい」といった否定的な声も多く、ネット上では情報が錯綜しています。

実は、個人向け国債は“日本で最も安全性の高い資産”の一つであり、リスクはほぼゼロです。
しかしその反面、リターンは非常に小さく、さらに短期で換金できないなど「初心者が知らずに買うと困るポイント」も多く存在します。

この記事では、

  • 個人向け国債とはどんな金融商品なのか
  • なぜ「買ってはいけない」と言われるのか
  • 本当にメリットがあるのか
  • 初心者にとっての最適な使い方は?
  • 私の結論:株式(インデックス)+現金が基本、その上で“余剰金だけ”国債

という流れで、専門用語を使わずにわかりやすく解説していきます。


個人向け国債とは?

個人向け国債は「国が個人のために発行する超安全資産」

個人向け国債とは、その名の通り「一般の個人投資家が購入できる日本国債」のことです。
日本政府が発行する債券であり、日本という国の信用を背景に発行されるため、理論上“日本が破綻しない限り元本割れしない”という極めて高い安全性を持っています。
日本の金融商品の中でも、銀行預金と並んでリスクが最低クラスであり、大量のお金を安全に保管したい人に向く資産です。

個人向け国債には主に 3 種類が存在します。

  • 固定金利3年
  • 固定金利5年
  • 変動金利10年(最も人気のタイプ)

最低購入額は 1万円 からと非常にハードルが低く、誰でも簡単に始められる設計になっています。
また利息は半年ごとに受け取る仕組みで、銀行預金のようにほぼ利息が付かない環境下では「少しでも利回りを得たい人」に注目されています。

特に変動金利10年タイプは、金利が上昇すると利息も自動的に上がるため、今のように金利が上昇傾向にある時期にはメリットが大きい商品です。


なぜ「個人向け国債は買ってはいけない」と言われるのか

① 1年以内に解約できない(生活防衛資金に向かない)

個人向け国債が「買ってはいけない」と言われる理由の中でも、最も大きな欠点がこの“1年ルール”です。
個人向け国債は購入してから 最初の1年間はどんな事情があっても解約できません。 
これは制度上完全に固定されており、病気・失業・急な帰国・家の修理・家族の急用など、どれだけ緊急性の高い支出であっても、資金を取り出すことができません。

投資初心者ほど、生活防衛資金をどこに置いておくかが非常に重要なのですが、この「1年間凍結ルール」を理解しないまま、貯金の多くを国債に入れてしまうケースが少なくありません。
その結果、いざという時に手元に現金が無い状態となり、クレジットカードのリボ払い・消費者ローン・高金利の借り入れに頼る羽目になってしまう可能性があります。
つまり、国債は安全資産ではあるものの、“流動性の低さ”という大きな弱点があり、生活防衛資金の置き場所としては全く適していません。

投資の基本は「短期で使うお金」と「長期で使わないお金」をしっかり分けることです。
個人向け国債は後者、つまり“一年以上使わないお金専用の置き場”であることを理解する必要があります。
その意味で、初心者がいきなり貯金の大部分を国債に入れるのはリスクが高く、これこそ「買ってはいけない」と言われる大きな原因です。

② 中途解約はペナルティあり(利益がほぼ無くなる)

個人向け国債は1年経過すれば解約可能になりますが、その際には“ペナルティ(中途換金調整額)”が発生します。
具体的には、直近2回分(半年×2=1年分)の利息が差し引かれる 仕組みです。
たとえば利息1.0%の商品なら、約1.0%程度の利息が丸ごと消えます。
結果として、「1年ほど保有したのに利息がほぼゼロ」という状態が発生します。

元本は守られますが、利息はもらえないため、短期で解約する予定がある人にとっては大きなデメリットとなります。
さらに、銀行預金であればいつでも解約して自由に使えるのに対し、国債は解約に手続きが必要で、入金までにも時間がかかります。
そのため、実際の使い勝手は預金のほうが圧倒的に上です。

このように、「元本割れしない」というメリットが強調される一方で、「利息が消えやすく、解約の自由度が低い」という事実はあまり知られていません。
特に投資初心者の場合、資金計画がまだ定まっておらず、「思ったよりお金が必要になった」ケースが非常に多いものです。

③ リターンが低く、インフレに弱い

個人向け国債最大の弱点は「リターンが低い」点です。
特に固定金利型は金利が低く、変動10年でも最低金利0.05%が保証されているとはいえ、その水準は極めて小さなリターンしか生みません。(現時点では1.1%)
一方で、世界株式・米国株式・日経平均などのインデックス投資は長期的に見て平均4〜7%ほどのリターンが期待されます。
20年・30年と積み立てた場合、この差は非常に大きくなり、国債は資産を増やす商品ではなく「資産を守ることに特化した商品」であると言えます。

さらに、2022年以降、日本でもインフレが進行し、物価上昇率が2〜3%台の年が続いています。
こうした環境では、個人向け国債の利率0.3〜1.19%ではインフレにまったく追いつかず、実質的には“お金の価値が目減りしている”状態になります。
つまり、「元本割れしない=安全」ではありますが、「実質価値が減る=資産として弱い」という現実があります。

投資初心者が誤解しがちなポイントは、「安全=正しい選択」と単純に考えてしまうことです。
しかし長期的に資産形成するなら、一定のリスクを取りながらリターンを狙うことが不可欠であり、その意味で国債は“資産を増やすための主力商品にはならない”のです。これも「買ってはいけない」と言われる背景となっています。

④ 金融機関のキャンペーンに釣られやすい

個人向け国債が初心者に過度に売られやすい理由として、「金融機関の営業商品である」という点も見逃せません。
銀行や証券会社は、国債を販売すると“販売手数料”が入るため、強くすすめてくることがあります。
また、キャンペーンとして「現金プレゼント」「ポイント付与」などを行うため、初心者は“お得に感じてしまい”購入してしまいます。

しかし本当の狙いは別にあります。
国債を買った顧客に対し、その後「投資信託」「保険」「外貨建て商品の抱き合わせ販売」など、より手数料の高い商品を勧誘するための入り口として使われるケースが多いのです。
つまり、国債は“顧客リストの獲得目的”として利用されることがあり、決して投資効率が良いからすすめられているわけではありません。

特に初心者は「銀行員がすすめる=安心」と思いがちですが、実際には“銀行にとって都合が良い商品”である場合も多く、客観的に判断することが重要です。
このように、国債は商品そのものよりも“売られる文脈に注意が必要”であり、これも「買ってはいけない」と言われる理由の一つです。


それでも個人向け国債にはメリットがある

① ほぼ元本割れしない“超安全資産”

個人向け国債が強く支持される理由のひとつが、「ほぼ元本割れしない」という圧倒的な安全性です。
国債は日本政府が発行する債券であり、返済の裏付けとなるのは“国家の信用”です。
民間企業とは異なり、日本という国自体が破綻しない限り、元本と利息は必ず返還される仕組みです。
実際に、現代日本が国債の返済不能に陥る可能性は極めて低く、世界的にも「日本国債は安全性が高い」と評価されています。

銀行預金には1,000万円までの預金保険制度がありますが、国債はそのような上限がなく、理論上は無制限に安全が確保される点も大きなメリットです。
特に数千万円〜数億円規模の資産を持つ富裕層にとっては、預金より国債のほうが安全性が高いケースも多く、資産の“避難場所”として利用されています。

さらに、市場価格が変動する一般の債券とは異なり、個人向け国債は途中換金しても元本は全額戻ってくる仕様になっています。
つまり、「債券価格の下落リスク」すら実質的にありません。

② 預金より高い利率(特に10年変動)

個人向け国債が評価されるもう一つの理由が、「預金より明確に利率が高い」点です。
特に人気の高い“変動10年”は、最低金利0.05%が保証されています。(現時点では1.1%)
銀行の普通預金金利が0.001%〜0.2%程度であることを考えれば、その差は非常に大きく、同じ安全資産でも国債のほうが明確に有利です。

加えて、日本は2023年以降、金融緩和が段階的に終了し、金利が上昇傾向にあります。
変動10年国債は市場金利が上がれば利率も上昇するため、“今後利息が増える可能性がある”というメリットも持っています。

また、“一年以内に使わないお金”をどう運用するかという問題において、国債は非常に合理的です。
銀行に置いていても利息はほぼゼロですが、国債なら毎年必ず利息が入り、かつ一年後には中途換金も可能です。
そのため、実質的には「預金の延長線にある、安全だが少し増える資産」として使うことができ、効率の良い“待機資金置き場”としても非常に機能します。

③ 1万円から購入でき、仕組みも単純

個人向け国債の魅力は、安全性や利率だけでなく“シンプルさ”にもあります。
最低購入額は1万円からと非常に低く、複雑な金融知識も必要ありません
株式のように企業分析をしたり、投資信託のように運用方針を研究したりする必要もなく、「買う → 利息を受け取る」という非常に単純な流れで完結します。

利息は半年ごとに受け取れ、税金も源泉徴収されるため、自分で確定申告をする必要もありません(条件によっては申告したほうが有利な場合はある)。
この“手間の少なさ”は、多忙な社会人や投資初心者にとって非常に大きな利点です。

また、価格変動がないため、毎日チャートを見る必要がなく、精神的負担も最小限です。


個人向け国債 vs 預金|どちらが安全?

預金は1000万円まで保護 / 国債は無制限に安全

預金と国債を比較する際、最も大きな違いは「どこまで保護されるか」です。
銀行預金はペイオフ制度によって1,000万円+利息までしか保護されません。
もし銀行が破綻した場合、1,000万円を超える部分は返ってこない可能性があります。

一方、国債は日本政府が直接返済を保証するため、保護額に上限がありません。
理論上は“無制限に安全”です。
特に数千万円〜数億円規模の資産を持つ人にとっては、預金より国債のほうが安全性が高いのは明らかです。

ただし、少額資金なら預金のほうが利便性が高いという事実もあります。
国債は一年間解約できず、また中途換金にはペナルティがあります。普段使いの生活防衛資金は、預金に置くほうが圧倒的に便利です。

つまり、安全性は国債が上、利便性は預金が上です。
資産規模や目的によって使い分けるのが正しい選択と言えるでしょう。


私の結論

初心者の黄金ルートは「株式(指数)+現金」が基本

投資初心者にとって、まず最初に目指すべき資産形成の基盤は「株式(インデックス)+現金」の組み合わせです。
なぜなら、株式インデックスは長期的に最も高い確率で資産を増やせる“成長エンジン”であり、一方で現金は生活防衛資金としてリスク管理の要となるからです。
特にS&P500や全世界株式などの指数は、長期で平均4〜7%程度のリターンを期待でき、複利効果も大きいです。
これは個人向け国債のような低利回りの安全資産では到底代替できないメリットです。

同時に、現金は「いつでも使える」という最大の強みを持っています。
突然の病気、引っ越し、仕事の変化など、ライフイベントは予期せぬタイミングで訪れます。
ここで資産の大半を国債に入れてしまうと、“1年解約できない”という大きなデメリットが生じ、柔軟性が著しく失われてしまいます。
だからこそ、現金は生活防衛資金として数ヶ月〜半年分を確保し、それ以上の余剰資金で株式インデックスを積み立てることが、最も効率的かつ安定的な資産形成になります。

つまり、国債は「メイン資産」になるべきではなく、まずは株式インデックスと現金で資産の土台をつくることです。
この“黄金ルート”を守れるかどうかが、初心者が投資で成功するかどうかを大きく左右すると言えるでしょう。

ただし“現金の一部”は国債(変動10年)に回すのはアリ

一方で、「現金をすべて預金に置いておくのはもったいない」というのも事実です。
特に、当面1年以内には使う予定のない余剰資金がある場合、その一部を個人向け国債(変動10年)に回すのは非常に合理的です。
変動10年は現時点で金利1.1%でおり、銀行預金の0.2%程度と比べると桁違いに有利です。
しかも、1年経過後はいつでも途中換金でき、本金が減ることはありません。
つまり、“1年だけ資金がロックされる預金の延長線上の安全資産”として使えるのです。

また、国債は仕組みが非常に単純で、株式や投信のように勉強が必要ありません。
値動きもなく、メンタル負担もゼロです。
そのため、投資初心者でも安心して扱うことができ、「資産の一部を安全に置いておきたい」というニーズにぴったり合致します。

ただし注意したいのは、あくまで“サブ資産”として利用すべきという点です。
国債はインフレに弱く、長期的な資産成長には向きません。
主役はあくまで株式インデックスであり、国債はその横に置く補助的な資産にすぎません。

結論として、

  • 1年以内に使う予定のない現金
  • 預金より少し増やしたい余剰資金

これらを国債に回すのは非常にバランスの良い選択と言えるでしょう。


まとめ

個人向け国債は確かに安全性が高く、預金を上回る利率も得られる魅力的な金融商品です。
しかし、成長性は低く、インフレに弱く、1年のロック期間もあるため、投資の“メイン資産”として使うには不向きです。

投資初心者がまず目指すべき戦略は次の通り:

  • 株式(インデックス)+現金が基本構成
  • 生活防衛資金は必ず現金で確保
  • 余剰金だけ個人向け国債(変動10年)に回す

つまり、国債は“安全で便利なサブ資産”です。
長期の成長は株式、安定は現金と国債です。
このバランスこそが、初心者が失敗せず資産形成を続けるための最適解です。

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職業:Web開発エンジニア
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