FX初心者向け完全ガイド|稼ぎ方・仕組み・強制ロスカット・スワップの真実【おすすめしない理由も】

勉強ちゃん

今日は「FX(外国為替証拠金取引)」について、初心者にもわかりやすく解説します。
FX は、銀行やネット広告、YouTube などでよく目にするため、「少額で始められる」「24 時間いつでも売買できる」「スワップ(金利差)で毎日お金が入る」など、魅力的なイメージを持つ人が多い金融商品です。

しかし実際の FX は、短期売買・レバレッジ取引が前提の“投機商品”であり、一般の人が簡単に利益を出せるものではありません
特に投資初心者にとって、レバレッジ・証拠金維持率・追証などの仕組みはハードルが高く、わずかな変動で大きな損失が発生することもあります。

本記事では、

  • FX の基本
  • 利益が出る仕組み
  • 証拠金やレバレッジの本質
  • 追証の危険性
  • なぜ一般の人におすすめできないのか
  • 外貨保有目的なら「レバ1倍」

を、わかりやすく丁寧に解説します。


FXとは?

FXとは外国為替証拠金取引のこと(基本の仕組み)

FX は「外国為替(異なる通貨の交換レート)」を対象にした証拠金取引のことです。
日本円とドル、ユーロとドルなど、常に 2つの通貨をセット(通貨ペア)で売買するのが特徴です。

FX は株式と違い、最大の特徴は 24 時間取引できることです。
東京・ロンドン・ニューヨークと市場が連続するため、仕事終わりでも夜中でも取引が可能で、この「いつでもできる手軽さ」が初心者を最も惹きつけるポイントです。

もう一つの特徴は 少額から始められることです。
10万円の証拠金でも、レバレッジを使えば100万円以上の取引ができるので、「小さなお金で大きく稼げる」と誤解されやすい仕組みです。
しかしこの“少額で大きな取引ができる”という特徴こそ、FX を危険な商品にしている本質でもあります。

つまり FX は、仕組みを正しく理解しないまま気軽に始めてはいけない金融商品であり、特にレバレッジや証拠金の概念を知らない人にとってはリスクが非常に大きいという点を最初に理解しておく必要があります。


FXで利益が出る仕組み(2つの稼ぎ方)

① 為替差益

FX の利益の基本は「為替差益」です。
安い時に買って高く売る、もしくは高い時に売って安く買い戻すことで利益が出ます。
株式と違い、FX は「売りから入る」ことが可能なため、上昇相場でも下落相場でも利益を狙えるように見えます。

しかし、実際には為替相場の値動きは一般の人が予測できるものではありません
為替は以下のような多くの要因に影響されます:

  • アメリカや日本の金利
  • 雇用統計やCPIなどの経済指標
  • 中央銀行の発言
  • 戦争・政変
  • 大口投資家の売買
  • 突発的ニュース

これらすべてをリアルタイムで追い、正しく判断するのはプロでも難しい世界です。

さらに FX はレバレッジが前提のため、わずか 0.1〜0.5円 の変動でも大きな損失につながる可能性があります。
たとえば 10万円の証拠金で100万円の取引をしていた場合、1%の変動で資産の10%が動くことになります。

そのため、為替差益は一見簡単そうに見えても、現実は「勝てる時もあるが、いつか必ず大損する可能性がある」非常に難しい取引方式です。
為替差益を安定して狙えるのは、膨大なデータ・分析能力・経験を持つプロだけであり、初心者が安定的に利益を出すのはほぼ不可能と言えるでしょう。

② スワップポイント(金利差益)

FX のもう一つの収益源が、国と国の金利差から毎日受け取れる「スワップポイント」です。
金利の高い国の通貨を買い、金利の低い国の通貨を売ると、その差分を毎日受け取れる仕組みです。
2025 年の時点で、米ドルは高金利、円は低金利なため、「ドル買い・円売り」でスワップがもらえるケースが多いです。

しかし、スワップポイントには初心者が誤解しやすいポイントがあります。

まず、スワップの金額は小さく、価格変動の前ではほとんど意味を持たないということです。
たとえば1日50円のスワップを1ヶ月もらったとしても1,500円です。
しかし為替がわずか1円下落するだけで、1万ドルのポジションなら1万円の損失です。
つまり「数十日のスワップが、わずか数分の値動きで吹き飛ぶ」ことが現実に頻繁に起きます。

また、高金利通貨ほど為替リスクが高いという過去の教訓もあります。
トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソなどはスワップが高いことで人気でしたが、長期的には何度も大暴落しています。
スワップ目的で購入した人が、結局は大損して撤退するケースが非常に多いです。

さらに、各国中央銀行が金利政策を変更すると、昨日までプラスだったスワップが今日からマイナスになることもあります。
為替が大きく下がり、証拠金維持率が下がれば、スワップどころではなく強制ロスカットになることも珍しくありません

つまり、スワップポイントは“毎日お金が入るお得な仕組み”のように見えても、長期的には為替変動リスクの方がはるかに大きく、安定した収益源とは言えないのが実態です。


証拠金・レバレッジの仕組み(FXの最重要ポイント)

証拠金とは?なぜ少額で大きな取引ができるのか

FX における「証拠金(しょうこきん)」とは、
取引を行うために必要な“担保”のようなもので、実際に売買する金額の全額を用意しなくても、一定額の預け入れだけで大きなポジションを持てる仕組みです。
たとえば 100 万円分の米ドルを取引したい場合、通常なら 100 万円が必要ですが、FX では数千円〜数万円の証拠金で同じ規模の取引が可能になります。
これが「少額で大きな取引ができる」FX 最大の特徴です。

しかし、この仕組みこそ初心者が最も誤解しやすいポイントです。
「少額で始められる」といっても、実際には証拠金の数倍〜数十倍のリスクを背負っている状態であり、為替がわずかに動いただけで大きな損失が生じます。
たとえば 10 万円の証拠金で 100 万円の取引をしている場合、為替が 1% 動くだけで 1 万円の損失、10% 動けば証拠金が消えてしまいます。

さらに、証拠金には「必要証拠金」と「有効証拠金」があり、為替が不利に動くと有効証拠金が減少し、ポジション維持が難しくなります。
証拠金が一定以下になると「証拠金維持率」が低下し、後述するロスカットや追証を引き起こす原因になります。

つまり証拠金とは、
「少額で始められる便利な仕組み」ではなく、「少額で巨大なリスクを背負う危険な仕組み」であることを理解しておく必要があります
特に初心者は、この証拠金の意味を正しく理解せず、大きな損失を出すケースが非常に多いのが実情です。

レバレッジとは?利益も損失も何倍にもなる仕組み

レバレッジとは「てこの原理」を意味し、
FX におけるレバレッジは、手元にある資金(証拠金)の何倍もの金額を取引できる仕組みのことです。
日本では最大 25 倍まで認められており、証拠金 10 万円で最大 250 万円分の取引が可能です。
この数字だけを見ると「少額で効率よく増やせる魅力的な仕組み」に見えますが、実際には利益だけでなく損失も同じ倍率で増えるため、非常に危険です。

たとえばレバレッジ 25 倍で取引している場合、たった 0.4% の為替変動で証拠金 10 万円が消える可能性があります。
為替変動は1日に1%以上動くことも珍しくなく、現実的に考えるとレバレッジ取引は「時間の問題で大きく負ける」仕組みといえます。
実際、金融庁の統計でも、FX の個人投資家の多くは長期的には損失を出す傾向があります。

また、「レバレッジ 5 倍くらいなら大丈夫」と考える初心者も多いですが、5 倍でも十分に危険です。
為替が 2% 不利に動けば、証拠金の 10% が消える計算で、継続的な取引では精神的にも大きな負担になります。

FX で最も安全に外貨を保有する方法は レバレッジ 1 倍(実質的に外貨預金と同じ) です。
これなら強制ロスカットも追証も発生する可能性がほぼありえなくて、「外貨を保有したい」という目的にも最も合理的です。
レバレッジは「使うほど危険な道具」であり、利益のために利用するものではありません。

証拠金維持率とは?

証拠金維持率とは、現在の有効証拠金が、ポジション維持に必要な証拠金に対してどれだけ余力があるかを示す数値です。
FX の世界ではこの証拠金維持率が「生命線」と呼ばれるほど重要で、維持率が低くなるほどロスカットの危険が近づきます。

一般的に、証拠金維持率の目安は以下の通りです:

  • 200%以上:安全圏(ただし絶対安全ではない)
  • 100〜150%:危険ゾーンに入る
  • 100%以下:ロスカット寸前

維持率が 100% を下回ると、
追証が発生した状態で、指定された期日までに不足額の入金やポジション決済をしない場合、
証券会社によっては強制ロスカットが自動的に発動します。
これは投資家の資産を守るための仕組みですが、実際には急激な変動時にはロスカットが間に合わず、証拠金が一瞬で溶けるケースも多々あります。

証拠金維持率は、為替レートが不利に動くと急速に低下します。
特にレバレッジが高いほど下落スピードは速く、初心者が維持率の意味を理解せずに取引していると、知らない間にロスカットラインに近づくことがよくあります。

維持率が下がる原因は、値動きだけではありません。
スワップポイントがマイナスの場合、毎日少しずつ証拠金が減り、気づけば維持率が大きく低下していたというケースもあります。
特に長期保有でスワップ狙いをしている人は、この維持率の低下を見落としやすく危険です。

FX を行ううえで、証拠金維持率の管理は必須であり、これを理解しないまま取引するのは非常に危険です。

追証(おいしょう)とは?追加でお金を入れないといけない仕組み

追証(おいしょう)とは、証拠金維持率が大きく下がり、必要な証拠金が不足した場合に、追加の資金を入金しなければならない仕組みです。
追証が発生する状況は、すでに「危険水域を超えている」状態であり、初心者が最も恐れるべきワードです。

追証が発生する条件は、為替が急激に不利に動き、ロスカットラインを大きく割り込んだ場合です。
特に、経済指標発表、地政学リスク、週明けの窓開けなどのタイミングでは、瞬間的に大きな変動が起き、ロスカットが間に合わず追証が発生します。

追証が発生した場合、証券会社から期限付きで「入金してください」という通知が来ます。
この期限は一般的に 翌営業日まで と短く、入金しなければポジションは強制的に決済され、証拠金がゼロどころかマイナスになることすらあります。

追証の怖さは、「投入した金額以上の損失が発生する可能性がある」という点です。
株式投資の場合、信用取引でも追加損失は比較的限定的ですが、FX の場合は値動きが激しく、マイナス残高が発生することも珍しくありません。

つまり、追証は FX の中でも最も危険な要素であり、この仕組みを理解していない初心者が参入すると大きな負債を抱えるリスクがあります。


なぜ FX をおすすめしないのか(初心者・一般人向け)

レバレッジがある限り「予想外の損失」が起こる

FX を初心者におすすめできない最大の理由は、レバレッジの存在です。
レバレッジは利益を増やす道具に見えて、実際には「予想外の損失を爆発的に増やす仕組み」です。
特に為替市場では、「ブラックスワン」と呼ばれる突発的な急変動が頻繁に起こり、数分〜数秒で数円動くこともあります。

過去には、スイスフランショックや英国EU離脱、円フラッシュクラッシュなど、世界中のトレーダーが大損失を出した事例が多数あります。
これらは前兆がなく、チャートが突然大きく飛ぶため、どれだけ事前にリスク管理していても避けようがありません。

また、「損切り(ストップロス)を入れていれば安全」という誤解もあります。
為替が飛んだ場合、設定した価格では約定せず、本来の損切りラインより大幅に不利な価格で決済される「スリッページ」が発生します。
つまり、損切りは万能ではなく、急変動にはまったく対応できません。

レバレッジを使う取引は、基本的にプロの専業トレーダーや機関投資家向けであり、普通の人が安定して勝つことは極めて困難です。

スワップ狙いも長期的には危険

初心者には「スワップポイントで毎日お金が入る」という仕組みが魅力的に見えますが、実際には長期的に非常に危険な戦略です。
スワップが高い通貨は、通常その国の経済リスクや政治リスクが高く、通貨価値が不安定です。
高金利通貨(トルコリラ、南アランド、メキシコペソなど)は長期的に大暴落を繰り返しており、「スワップで数万円もらったが、為替損で数十万円失った」というケースがほぼ定番です。

また、スワップは固定ではなく、世界の金利情勢によって毎日変動します。
昨日までプラスだったスワップが、政策変更で翌日からマイナスに転じることも珍しくありません。
さらに、スワップは証拠金から差し引かれるため、マイナススワップが続けば証拠金維持率が低下し、ロスカットのリスクが高まります。

歴史的にも「スワップ狙いで全損した」例は非常に多く、スワップ戦略が安全というイメージは完全に誤解です。

外貨保有が目的なら「レバ1倍」が最も合理的

外貨を持つ目的が「分散」「円安対策」「海外投資への準備」であるなら、FX を使う場合も レバレッジ 1 倍 が最も安全で合理的です。
レバレッジ 1 倍であれば、強制ロスカットも追証もほぼ発生しません。
単に「外貨で資産を持つ」という目的なら、為替変動は損益に反映されても、ロスカットのような強制処分はほぼ起こりません。

また、レバレッジ 1 倍は実質的に外貨預金や外貨建てMMFに近い運用ができます。FX のスプレッドは銀行の外貨預金より圧倒的に低いため、外貨保有のコストも安く済みます。

つまり「外貨を持つだけなら、FX は 1 倍で使うのが最適」というのが結論です。レバレッジをかける必要はありません。


まとめ

FX の本質は 短期売買を前提とした投機商品 です。
レバレッジを使えば利益が大きくなる可能性はあるものの、それ以上に損失が膨らむリスクが圧倒的に高く、金融庁の統計でも「FX 個人の大半は継続的に負けている」という結果が出ています。

もし外貨を持つ目的なら、レバレッジ 1 倍で十分です。
それ以上のレバレッジは単なるギャンブルです。
FX を学ぶことは資産形成に役立つ知識になりますが、「稼ぐ手段」として選ぶのは危険です。

外貨分散は資産のごく一部だけで十分であり、無理に利益を狙う必要はありません。

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職業:Web開発エンジニア
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