iDeCoの受け取り方で損しない方法|一時金・年金・併用の最適戦略【2025年版】
iDeCoは「積み立て時の節税」「運用時の非課税」が非常に強力で、日本の節税制度の中でもトップクラスのメリットがあります。
しかし、受け取り方を誤ると、せっかく積み上げた節税メリットが一気に吹き飛ぶケースも存在します。
特に2022〜2025年にかけての制度変更では、“改悪”と言われるポイントも多く、知らずに受け取ると数十万円単位の損になる可能性があります。
この記事では、2025年時点での最新制度に基づき、「受け取り方法の違い」「出口戦略」「注意点」「直近の改悪点」を初心者でもわかるように徹底解説していきます。
iDeCoの受け取り方法
① 一時金(退職金扱い)として受け取り
iDeCoの受け取り方法の中で、最も強力な節税メリットを得られるのが“一時金”方式です。
一時金として受け取った場合、「退職所得」として扱われ、退職所得控除(40万円×勤続年数など)を利用できます。
この退職所得控除は非常に大きく、会社員で長く働いた人ほど控除が大きくなり、
多くの場合、iDeCoの一時金受け取りはほぼ非課税になります。
つまり、退職金と合わせても控除枠内に収まれば税金ゼロで受け取れる場合が多く、「日本最強の節税手段」と言われるゆえんです。
ただし注意点として、会社から受け取る退職金や企業年金(企業型DC)、退職一時金と同じ“退職所得”枠を利用するため、受取時期が重なると控除枠が圧縮されて税金が増えることがあります。
特に2025年の改正により、従来5年だった「退職所得控除の調整期間」が10年に延長され、iDeCoと退職金を同じ年、または近い年に受け取ると控除が減る可能性が大きくなりました。
そのため、以前よりも「受取タイミングの調整」が出口戦略として極めて重要になっています。一時金は強力ですが、“退職金とのバランス”が最適化の鍵となる方法です。
② 年金として分割受け取り
年金方式では、iDeCoの積立額を分割して受け取り、「公的年金等控除」を利用しながら課税所得を抑えることができます。
年間の受取額が低いほど控除が大きくなり、特に年金受取額が少ない人(専業主婦・フリーランス等)は年金方式のメリットが出やすいです。
また一度にまとまった所得が増えないため、住民税・健康保険料への影響も比較的穏やかになる点もメリットです。
しかし、多くの金融機関では、毎年数千円程度の「受取手数料」が必要で、受取期間が長くなるほど負担が増えます。
以前は20年間受け取りができた金融機関も多かったのですが、現在は5〜10年しか選べないケースが主流となり、長期分割で細かく控除を使うという戦略が取りにくくなりました。
さらに、年金方式にすると受け取り中も運用を継続できない金融機関も多く、実質的に柔軟性や節税メリットが低下しています。
そのため、年金方式は「少額の受取に限って節税メリットは大きいが、長期での利用は手数料の負担が重い」という特徴を理解し、年金方式だけに依存しない出口戦略が必要になります。
③ 一部一時金+一部年金(併用)として受け取り
併用方式は、一時金と年金方式の“いいところ取り”ができる最も戦略的な受け取り方法です。
具体的には、まず一時金として受け取れる部分に退職所得控除をフル活用し、控除枠に収まらない部分だけを年金受取に回すことで、年金受取の「公的年金等控除」も利用できます。
つまり、二つの控除を組み合わせることで節税効果を最大化できるのが最大の魅力です。
さらに、一部を年金化することで、老後の定期収入としての安心感も得られ、残りを一時金でもらうことで手元資金も確保できます。
ただし、金融機関によっては「併用ができない」「年金受取期間が短い」「取り扱い商品が制限される」といった問題も増えており、
特にネット証券のiDeCoでは、出口の自由度が大きく下がったケースもあり、併用戦略を実行したい場合は、加入前から出口の仕様を必ず確認することが重要です。
併用方式は節税に最も優れたバランス型の受取方法であり、退職金が多い場合でも柔軟に調整できるため、2025年時点では“最も現実的な最優先戦略”と言える方法です。
受取り時の“出口戦略”の考え方
出口戦略① 退職金とiDeCoの受け取り年をズラす
iDeCoの出口戦略で最も重要なのが、「退職金と受け取り年をズラす」という方法です。
理由は、退職金もiDeCoの一時金も同じ「退職所得控除」を使うため、同じ年に受け取ると控除が圧縮されてしまうからです。
以前は5年間の調整期間があったため、受け取る年を少しズラすだけでも十分効果がありましたが、2025年の改正でこの調整期間が10年に延長されました。
この改正は“改悪”と多くの専門家が指摘しており、iDeCoを受け取る際の戦略の難易度が大きく上がっています。
出口戦略② 一時金をメインにしつつ、控除上限を超える分だけ年金化する — 節税効率が最も高い
最もコスパが良く、多くの人に当てはまる出口戦略がこの方法です。
まず、一時金で受け取る部分を退職所得控除の範囲に収めることで税負担ゼロにします。
例えば退職所得控除が1400万円ある場合、iDeCoの積立額が900万円であれば完全に非課税です。
しかし控除を超える部分だけを年金として受け取ることで、「公的年金等控除」が使えるため、その超過分に対する税負担も最小限にできます。
また、年金部分は分割期間を短めに設定すれば手数料負担も軽減できます。
この戦略により、一時金だけで受け取るよりも税金が少なくなるケースもあり、“最も合理的な出口戦略”として専門家の推薦率も高い方法です。
さらに、受取時期を調整しつつ一部を年金化することで、健康保険料や住民税にも影響しづらく、老後の計画が立てやすくなります。
特に退職金の額が多い人、企業型DCも併用している人はこの戦略が極めて有効で、控除を最大限生かすための最適解として機能します。
iDeCo改悪ポイント
一時金の“10年ルール”適用で実質改悪に
2025年の制度改正によって、iDeCoの受取で最も重要な変更点が「一時金の10年ルール」です。
従来は、iDeCoの一時金と退職金を受け取る際、5年以内に受け取る場合は退職所得控除が不利になる(控除が重複して使えない) というルールがありました。
これが 2026年1月1日以降に支払われる退職一時金から、5年 → 10年 に延長 され、実質的に大きな改悪と評価されています。
つまり、iDeCoの一時金を受取ってから10年以内に会社の退職金を受取ると、退職所得控除が満額で使えず、課税額が大幅に増える可能性があるということです。
この改正によって、特に60代前半でのiDeCo一時金受取が非常に難しくなる点が問題です。
多くの会社員は60〜65歳で退職金を受け取りますが、iDeCoの一時金を60歳で受け取ってしまうと、多くのケースで10年以内に退職金を受取ることになり、控除が重複せず税負担が重くなってしまいます。
結果として、「iDeCo一時金を使うためには、退職金から10年以上ずらす」という非現実的なスケジュール調整が必要になる場合も出てきます。
逆に、節税を最大化する方法としては以下のような選択肢があります。
- 先に退職金を受け取り、19年以上空けてからiDeCo一時金を受取る
- iDeCoを分割年金で受取り、公的年金等控除を活用する
- iDeCo一時金 → 10年後に退職金、という順番にする
いずれの場合も、退職所得控除の重複期間(10年)を回避することが重要で、受取タイミングを間違えると数十万円〜数百万円単位で損をする恐れがあります。
2026年以降の受取では、この10年ルールが最も大きな落とし穴となるため、iDeCo利用者は必ず事前に“出口戦略”を考えておく必要があります。
まとめ
iDeCoは積み立て時や運用時の節税メリットが非常に強力ですが、受け取り時の戦略を誤ると数十万円〜数百万円単位で損する可能性があります。
特に2025年の制度改悪で、
- 退職所得控除の調整期間が10年に延長
によって、出口の自由度が低下しました。
そのため、今のiDeCoは「積立よりも出口戦略」の重要性が急上昇しており、
- 一時金で控除を最大限活用
- 控除を超えた分だけ年金化
- 受け取り年をズラして調整
という戦略を早い段階から考えることが不可欠です。
